「ここなら大丈夫かな」
教室から出て、お弁当を持って屋上にやってきた私達。
この学校はどうやらセキュリティが緩いようで、荒井さん曰く『鍵はいつも開いてるから大丈夫』らしい。
この情報は意外と知れ渡ってないみたいで、来る人も少なくお弁当を食べるには絶好の穴場スポットだそうだ。
どうして鍵が開いてるのか、なんてそんなことは知らないけど、まだまだ知らない場所のある学校に奥深さを感じる。
「いきなりなんだけど……これ、遥生くんに渡してもらえないかな?」
そう言って差し出されだのは、ひとつの封筒。
これは、もしかして……。
「ラブレター?」
声に出して呟くと、荒井さんは顔を赤く染めて頷いた。
やっぱり、遥ってモテるんだ。改めてそう実感する。



