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「遥生くんと、姉兄なんだよね……?」



ある日、ひとりでお弁当を食べていた私のところに、ある女子がやってきた。



一見大人しそうに見えるけど、実は明るくてクラスのまとめ役。




そんな彼女の名前は、確か─────荒井麻莉奈(あらいまりな)さん。



いつもはたくさんの人の中心で楽しそうに話してるのに、今はどうやらひとりらしい。




「そう、だけど」



……私って、本当にバカ。せっかくクラスメートが話しかけてくれてるのに、どうして冷たい態度しかとれないんだろう。



これだから、いつもクラスの輪に入れないのに。そんなこと、昔からわかってるのに。




いざ面と向かって誰かと話すとなると、緊張して言葉すら選べない。



やっぱり私は意気地なし。彼女とは住んでる世界が違うんだ。