「星空ちゃん、転向しましょうか。」



きっかけは、高校二年生の春のこと。



春休みの終盤に差し掛かったこの時期は、満開の桜が窓の外の世界を幻想的に彩っている。




そんな外の景色に目を奪われていた真っ只中、まるで「星空ちゃんお腹すかない?」みたいなニュアンスで、叔母の景子おばさんにそう言われた。



「て、ん、こう…ですか?」



あまりに唐突なその提案に戸惑いながらも、私はおばさんが言った言葉を繰り返した。