“カチャン。”
「ご馳走様でした。」
「ごちそうさま。」
ニコッと笑ってから、自分のお皿を持つ。
せめてこういうことはしなきゃ。
ちゃんと、ここで生きていくんだから。
「…………。」
“カチャカチャ。”
「あ、ちょっと待って。」
「え?」
田中さんが私に小皿を渡す。
少し重くなったお皿。
「追加。これも持ってってね。」
「あ、はい!」
何だか、家族になったみたいだった。
こうなってから、初めての手伝い。
こういう優しさを求めてたって実感。
心地よいって、こういうことか……。
そう思いながら、流しにお皿を置く。
手が上手く動かない。鈍ってたなぁ……。
「ありがとうね。」
「いえ、当然のことです。」
ちょっと得意気になってみる。
小学生っぽいけど、本当に嬉しかった。
だって、初めてだから。
こんな快感、もっと早く知りたかった。
車椅子だって
一階なんだから自分で動かして
お皿は自分の分だけでも運んで
これからは新しい道へ。

