こんな綺麗な子が私に声を掛けてくれるなんて...と、嬉しさと同時に不思議な気持ちもあった。


中学に上がってから真面目に学校に通う子と、ちょっとハメを外そうとする子に別れるもので、私は前者。


その中でも私は当時まだおしゃれとか身なりとかあまり気にしていなくて、芋っぽい感じが周りと比べてかなり残っていたと思う。


おしゃれな子はおしゃれな子と仲良くなり、地味な子は地味な子と仲良くなる…類は友を呼ぶとはこういうことだ、と実感したあの時。


クラスで目立つようなタイプの子とは、今まであまり関わった経験がなかった。


だから充希みたいな子と友達になるのは予想外だったのだ。



充希と出会ってからかな、おしゃれに目覚めたのは。


高校生になってバイトもして、ある程度自分に使えるお金が貯まってきたころに化粧も始めたし髪も染め、美容にこだわり始めた。


そうしたら、自分に少し自信が持てた。



本当に充希は---



「ちょっと藍、何ジロジロ見て...気持ち悪いわぁ」


「これまでの充希との思い出を振り返ってた。ってか気持ち悪いって酷いわぁ」