あれからどれだけの時間が経ったのだろう。


無思考の状態で春兄の手紙をずっと眺めていた。



いつの間にか涙も枯れ果て、身体は疲れ切っている。



ふと時計に目をやると、日付け変わって午前3時。


眠気も無いし、寝たいとも思わなかった。


あと約3時間もすれば、いつもなら目覚めている時間。



学校…行きたくないな。





-----…



結局一睡もせずに朝を迎えた。


学校へ行く準備もせず、ただひたすらベッドの上で蹲っている。



しばらくすると、充希から電話が掛かってきた。


『あんた遅刻?しっかりしなさいよね受験生』


「ごめん…今日休むわ」


『え、具合でも悪いの?』



春兄のこと、告げるべきか…


危険な状態であることに変わりはない。


今は涙が引いて無感情の私でも、春兄のことを話したらまた泣いてしまうかもしれない。


告げるのが…怖い。



「うん、ちょっとね。だから今日は休む。じゃあね」


『あ、ちょっと藍っ』


辛くなり、一方的に電話を切ってしまった。


ごめん、充希…





その後充希から何度か電話が掛かってきた。


そして河西くんからも。



心配してくれる友達を放っておいていいの?


今までたくさん支えてきてくれた、大切な友達を。



でも…自分がどうなってしまうのか分からない。


春兄が目を覚ましたらみんなに話そう。


そして、一緒にお見舞いに行くんだ。



だからごめん、もう少しだけ時間を下さい。