「でもな、今は不況だ。高校中退で雇ってくれる会社はほとんどない。」 厳しい現実に 何を言ったらいいのか 分からず 黙っていた。 「定時はどうだ?」 「定時ですか?」 予想外の意見に 思わず先生の顔を見る 「コレ家帰ってからみとけ。」 そう言って あたしに渡したのは 近くの学校のパンフレット だった。 中に定時制の パンフレットも 挟んであった。 「考えてみます。」 定時制なんて 4年間だし 余計に卒業できる 訳ないし。 そう思いながらも パンフレットを 受け取って家に帰った。