「今のリアクション、身に覚えがあるって意味だよな? 後でキッチリ説明してもらおうか」



「やだよ。いちくんいじるほうがおもしろいって」



「両方いじってやる。文学部男子、ムカつくんだよ。半分くらい女子じゃん。俺んとこなんか、女子率0.1%未満だぞ。限りなくゼロに近いんだぞ」



「平ちゃんは男にもモテるから問題ないだろ」



コロコロ表情の変わる平ちゃんは、爆笑から一転、ギュッと眉をしかめて思案顔になった。



「今日、やたらとココアやチョコやお菓子の差し入れがあったんだけど、やっぱそういう意味か?」



「付き合っちゃえばー」



「簡単に言うなよ。付き合えねえって。差し入れくれた男も女も、ビビッと来なかったんだよ」



何だよ、自分も女子からもらってんじゃん。


掃除のおばちゃんか事務のお局さんかもしれないけど。


というか、ビビッと来たら、男でも付き合う気かよ。


平ちゃんもそれなりに変わってるんだよな。



ラッキーと言うべきか、話がこれ以上カオスなことになる前に、おれたちは勝教授の研究室がある洋館に到着した。