「華乃!時間大丈夫なの?!今日仕事でしょ?!」

「……ん……」


この声は、お母さん?

……もう朝?眠い……。な、なんか頭が痛い。


シャーッと軽快な音を立てて、お母さんの手でカーテンが開けられる。

眩しい日差しに目が眩む。


「どれだけ飲んだの!いい歳して起きれないだなんて!」

「……眩しい……。お母さん、今、何時?」

「もう九時になるわよ!」

「……ぎゃ!!」


あわわわ、遅刻だよ!

わたしどんだけ飲んだの!信じられない!


ベッドから飛び起き、精一杯の早さで顔を洗い着替えて、朝食を口の中に詰め込む。


「まったくもう、龍成さんにちゃんとお礼しなさいよ」


キッチンのシンクで食器を洗いながら、お母さんは呆れ果てていた。