「だーれかなっ?……」


相手を確認した途端、急に真顔になり携帯をテーブルに戻す華乃。


「出ないのかよ」

「え~?いいよ、どうせ言われることはわかってるから」

「は?親か?」


まだ鳴り続いている携帯。大事な用なんじゃねぇのかよ。


「少しでもいいから会いたい。話したい。どうせこの繰り返しよ」

「──は?誰がんなこと…」


…まさか。


俺は咄嗟に華乃の携帯を手にした。


【崇憲】


あいつ……!


もしかして今でも連絡取り合ってんのか?どういうつもりだよ。それもこんな時間に。


──一瞬、電話に出てしまおうかと思った。


「…華乃」

「んふ」


あらら、ご機嫌ですこと。