「だいたいね、招待客が500人ってふざけてるでしょ」


ガンッと空になったグラスをテーブルに軽く叩きつけて、華乃はたどたどしく言った。


「大マジですが」


こいつが本気で酔ってんの、初めて見たわ。

ここまで想像通りだと笑えるな。


「あんね、結婚式は盛大にやればやるほど離婚率が高くなるの、知らないの?」

「それはただの一般論だろ」

「りゅーせーはわたしと離婚したいの?」


うお、舌がしっかり回らなくなってきてるぞ。

大丈夫かこれ。


「結婚もしてないのに何言ってんだよ」

「だから~、他の女の子と来たお店にわたしを連れてくるなんて、度胸があるじゃないのよ」


いきなり話飛んでるし、相当だわ。


「妬いてんなら素直にそう言えよ」


こりゃ完全に出来上がってんな。目が据わってやがる。


記憶が残るか怪しいところだ。