「お待たせいたしました!ジントニックとアメリカンレモネードです」

「あっ、ありがとうございます!」


普段のふざけた表情じゃなく真剣に龍成が言うから、わたしもかわすことができずにそのまま捉えてしまった。


それがバレたくなくて、グラスを手に取り勢いで一気に口にしてしまう。


「こら!華乃!」


う、これ、普段飲んでるアメリカンレモネードよりワインが濃い…。


「だ、大丈夫だってば」

「大丈夫もなにもガキみたいな飲み方すんな!」

「はあ?!わたしはこれで平気なの!こっからが本番よ!」

「なにが本番…」


あ、あれ?自分で自分が何を言っているのかわからない。

龍成の声が遠くなって、近くにあるはずの龍成の顔もぼやけていく。


ああ、完全に酔っ払ったんだ。


ごめんね龍成。

本当にわたしって馬鹿な女……。