「……なんなのよ。どういうこと?」

「前にも言っただろ。俺は精進したんだ」

「……そんなこと言ったっけ?」

「お前……俺のプロポーズを忘れるとは」

「あっ!ごめん思い出した!」


たぶんあの時だ!たぶん!


「だから俺は常に盛ってるわけじゃない。性欲なんてお前にしか向かないし、逆にお前を見たら性欲なんて消えてくんだよ」

「……は?意味わかんない」

「頭悪ぃな。ったく、よく聞けよ。俺はお前にしか欲情しない。お前以外の女を抱きたいとも思わない。でも身ごもってるお前を見ると、自然に性欲はなくなっていくんだよ。性欲よりも大事にしたいって気持ちの方が大きくなるから。……わかるか?自分の性欲もコントロールできない安い男と一緒にすんな」

「……」


何も、言葉にできない。

龍成の言葉が嬉しすぎてたまらない。


もしかしたら全部嘘かもしれない。でも、馬鹿なわたしは信じたいと思ってしまう。


騙されてもいい。できることなら真実であってほしい。


また、愛しさが溢れていく。


「だからテレビのくだらねぇ話なんか真に受けんなっつーの。無駄な被害妄想はやめろ」


ぐ。ばれてたのか……。


「そ、そんなの本心じゃないでしょ。本気で言ってたら異常だよ狂ってるよ」

「何言ってんだ今さら。とっくに俺はお前に狂ってるだろうが」

「……馬鹿なパパだね」


もう、めちゃくちゃ可愛……


「まずこれほどのイケメンが、見た目も中身も可愛げのない華乃ちゃんと結婚した時点で狂ってるだろ」

「黙れハゲ」