「……なんか無駄に疲れたな」

「うん」


マンションに着き、自室のリビングのソファーにドサッと腰を下ろす。


あの後、麻友ちゃんに遅いから泊まっていけと引き留められたが、二人でマンションに戻ることにした。


帰り際に親父が

「華乃さん、色々と悪かったね」

と言ったのには度肝を抜かれるくらい驚いた。


まず親父のあんな穏やかというか力のない顔、初めて見たわ。

まさか華乃に謝るとは。あのディスク以来の衝撃だった。


初めてと言えば、麻友ちゃんのあのキレ方。

俺が遊んでた時期に怒り狂っていたキレ方とは違う。

迫力が半端なかった。あれにも驚いた。


つーか親父にキレに行ったのに、まさか麻友ちゃんにキレられるとは。しかも理由が理由だ。


……やっぱ女は怖ぇな。


「シャワーは?」


ソファーにもたれ、だれている俺に、華乃はそれほど疲れを見せずに問いかける。