──それから二人とも仕事が始まり、毎日を慌ただしく過ごした。


二人とも働いている為、家のことはできるだけ分担。

基本的には家を出る時も入る時も必ず二人で。


時間の調整は、結婚してからなぜかいきなり聞く耳を持つようになった麻友ちゃんがしてくれた。

休みもなるべく華乃に合わせてくれるという、以前の麻友ちゃんとは別人なほどの粋な計らい。


ま、部屋が最上階になったのを気にしてるのもあるんだろうな。


体力的にきついこともあり、休みの日はほとんど家で過ごすような日々だったけれど、二人の空気が悪くなることなどなかった。


つーか俺の体、使い物になって良かった!マジで!


華乃といることで仕事のやる気がなくなるんじゃないかと思っていたけど、仕事のやる気なんて元からなかったし、当初に比べればむしろ今の方があるんじゃないかと思えるほどだった。


そんな矢先──。



「ヘッドハンティング?!」