「結婚はしてないだろ?披露宴の席表で名字桜庭だったし。彼氏はいるのか?いるよな、あんな綺麗だったら」


ま、マジかよ。驚愕……。


「いや、先輩」

「でも彼氏いたって関係ねぇよな。龍成、お前なんか適当にセッティングしてくれよ」

「や、だから」

「完璧一目惚れだ。披露宴で挨拶されて、そっからもう頭から離れねぇ」


顔を手で抑えている先輩。微妙に赤くなってるのがわかる。


こりゃ本気だ。照れてやがる。こんな先輩初めて見たわ。寄りによって華乃の姉ちゃんかよ。

──俺、何気に怖ぇんだよな。怖いと言うより恐ろしい。


「先輩。言っとくけど、あの人中身結構すごいぞ」

「なんだよそれ」

「俺が恐縮するほどの強さだ」

「お前、面倒くせぇんだろ」