「あたしが何をしたって二人の絆がなきゃ上手くいくわけないよ。二人がしっかり想い合っていたからこそだよ」


…どうしてこの人はどこまでも謙虚で思いやりがあるんだろう。

わたしは一生、お姉ちゃんに頭が上がらない。


「お姉ちゃん……本当にありがとう」

「だめだよ、これからなのに泣いたら。龍成さん待ってるよ。行こう」

「うん」


二人で微笑み合い、部屋を出てリビングに向かう。


「あっ、華乃姉!なにしてんの!龍成さんもう来てるんだよ!」


リビングに入った瞬間、來乃が騒ぎ立てる。


「わかってるよ!來乃、あんた制服で行くの?」

「うん。だってお母さん買ってくれなかったんだもん」

「こらっ!龍成さんの前で余計なこと言わないの!華乃、準備できたの?」