「な、なにこの500って」

「なにって、披露宴の招待客の人数」

「……わたし、やっぱり結婚しない」

「──はあ?!」

「わたしには無理!したいなら一人でして!」

「あほか!どうやって一人で結婚できんだよ!」

「どうにかできるでしょ!」

「こらばかの、お前小学生より常識知らないのか?」

「黙れ、勝手にしてくれ」

「ふざけんな、おい!」

「お待たせ致しました。神田様、さく…──っ、も、申し訳ありません!お怪我は…」

「すみません、失礼します」

「華乃っ!」

「お、お客様!」


龍成とウエディングプランナーさんの声など耳に入らず、わたしは結婚式場内にある打ち合わせ室から足早に退室した。