「魔王だから悪い事をしても謝らない、なんてそれこそあってはならないことだよ。だから私が間違ったらちゃんと言って。怒って。呼び捨てが無理でも、怒ることは止めないで」



「変わったお方ですね」



「私からしたらあなた達の方が変わったお方ですけどね」



自分より年上の人に跪かれて、様付プラス敬語とか普通に暮らしてたら無いからね。



「様付や敬語は変えられませんが、説教は、頑張り、ます……」



「もう既にやばそうだね」



「あぁ……魔王様を怒る私達をお許しください……」



「だから今更だって」



「それはそうと早くお休みになられてください!!」



「テンションの差ね」



苦い顔でしどろもどろに説教します宣言をしたり、なんか祈り出したり、急に休むことを勧めてくる、って一旦落ち着いた方が良いと思う。



「本当お願いですから……早くベッドでお休みになられてください……」



すごい泣きそうな顔でシェリーが頼んでくるから、可愛さに負けてベッドに潜り込んだ。


ちなみにこのベッドは新品。


私達がゴタゴタやってる間に、前魔王の部屋の家具を全部新品に変えたらしい。


行動力が凄すぎる。


ベッドに潜るだけで寝る気は無かったんだけど、自分が思っていたよりも疲れていたようでいつの間にか眠ってしまっていた。