今日もあいつの家に行って、ゲームをする。

「ただいまー」

自分の家でもないのに、挨拶して勝手に家に入る。

「あ、愛未おねーたん!」

可愛い妹がいる。

「あいつは?」

「お部屋にいるよ。」

おにーたーん!と言って妹はあいつを呼ぶ。

「おう!愛未か」

こいつは月島 凛人(つきしま りんと)。
幼稚園の頃からずっと一緒にいる。
ちなみに私は松高 愛未(まつだか あみ)。
高校2年。

凛人の部屋へ行き、ベッドに座ってごろんと寝る。凛人の部屋、おちつくなぁ。


「そーいえば、なっちゃんに渡したいものあるんだけど。」

『なっちゃん』って言うのはさっき私が妹っていってた子。正確には凛人の妹なんだけどね。
私と凛人は昔から異様に仲が良く、家族ぐるみの付き合いをしており、親友と呼べるのは凛人ぐらい。

「なっちゃーん」

と呼ぶと、なっちゃんこと夏菜ちゃんがトテトテとやってくる。
あー、なんて可愛いの!!

「愛未おねーたん、何?」

「これ、あげる!」

私はなっちゃんに小さい袋に入ってるソレを渡した。

「愛未、俺には?」

「あんたは、要らないでしょ?」

今日は2月14日。バレンタイン。
凛人は学校ではかなりモテるらしい。
毎年たくさんのチョコをおすそ分けしに来る。

「ちぇ。ないのかよぉ」

残念そうにする、凛人。凛人はチョコがあまり好きじゃないということを知っている私。だから、あらかじめ違うのを用意した。

「ほい。これ、あげる。」

「ん?なんだ、ちゃんとあるじゃんか。」

と言いながら、包をあける凛人。

「え、これっ…!」

私は、凛人のために包の中に凛人が大好きなゲームの映画の券をいれた。

「愛未マジ神!ありがとう!お前、最高!」

笑顔で言われるから、私も笑顔になる。

「ゲームしよー」

「おう」

うちらは毎日どちらかの家へ行ってゲームなどをする。たまに夕飯をご馳走になったり…ゆるーいんです。

凛人とは、ずっと一緒にいるからか、居心地が良く、他の誰よりも安心する。


凛人以上の親友なんていないな…