ふっと視界が戻ってくると、眩しさで目が眩むかと想像していたけれど、実際は、違った。
 徐々に視界が戻ってきて、最初に見えたのは、暗さだった。
 暗い、部屋の中に、私は動けないように魔法をかけられ、直立していた。
 本当はこんなの、すぐに魔法で上書きして、動けるんだけど、相手が相手なだけに、正体はバレたくない。
 けれど、目の前に二王立しているリタ達と、その内の一人の手の中で光るハサミを見た瞬間、危機感を感じた。
 (私は…何をされるの?)