…迂闊だった。
 教室でこんな話、誰かが登校してきたら、聞かれる可能性は十分あった。
 その人は、俺たちの前に仁王立ちして、腕を組んでこちらを見ていた。
 赤いツインテールを揺らし、同じくらい深紅の瞳で、まっすぐ俺たちを捉えているカサンドラがいた。