こういうところ、あの人に似ている気がするよ。
 「…じゃあお願いします」
 「うん!待っててね、すぐ来るから」
 小走りで会計をしに行くラナの後ろ姿を私は黙って見ていた。
 …こんなこと、ほんの数日前まで、起こるなんて思ってなかった。
 私に、友達ができて、少しだけど私の話をして、ショッピングまでするなんて…
 なんだか、現実味がまるで無くて…
 彼に会いたい。
 それはずっと変わらないけど、彼以外に信頼できる人が、もしかしたら…
 私はそんな考えを拭うように首を振った。
 そんな風に考えるのが、なんだかラナ達に対して失礼に思えたから。
 ルイは、拒絶する私に、友達になりたいと言ってくれた。
 レオは、私が言いたくないことは、言わなくていいと言ってくれた。
 ラナは、どんな私も認めて、好いてくれる。
 それだけで、今はいいような気がするよ。
 イアン……
 そう思う私は、まだ、甘いのかな?