初めて、その子の瞳に感情を見た気がした。
 驚きという、感情だった。
 「……友達?」
 「そ、友達。レオもラナも、俺だって、君と友達になりたいから話しかけてるんだよ」
 「……そんなに俺たちがいると迷惑か?」
 「………迷惑じゃ、ない。けど…」
 あーもう、この子は、はっきりしてるのに、なんでこういうことは…
 「嫌じゃないなら、友達になってよ。俺らは友達になりたいんだからさ」
 「………うん」
 「やった!」
 「…まじか…」
 やっと首を縦に振ってくれた!
 「じゃあよろしくね、チェルシーちゃん☆」
 「……よろしく」
 「俺もよろしく。じゃあな、チェルシー」
 そうして、俺達は別れた。
 それぞれの目的地に向かって。