「俺も驚いたけどさ、実際に体験したら、信じるしかないだろ。
 そいつの歌に会わせて、植物が伸びてさ、噴水の形になっていったんだよ。歌い終わったら伸びなくなったけど、形は戻らなかった。
 それにさ、そうすると俺が初めにそいつの歌を聞いたときに、変な気分になったのも解決するんだよ」
 「…それが本当なら、ただ者じゃないよね、その子…
 やっぱり、その子の裏にはなにか、大きなものがある気がするよ」
 レオの部屋に静寂が訪れる。
 俺達は、何も言わなかった。
 …違う。何も、言えなかった。