「この前、放課後俺は、女共から逃げるために、少し校内をぶらついてた。
 捕まったら一緒に帰ろうとしてくるからな。
 まぁ、それでふらふら歩いてたら、歌声が…耳に入ったんだ」
 「へぇ…」
 歌声、ね。
 「それだけなら通りすぎてたかもしれないが、なぜだかその歌を聞いてたら、無性に誰かに会いたくなった」
 「…なにそれ、どういうこと?」
 「まぁ、そのときは俺も分からなかったけどな。後で話す。
 とりあえず、俺はそんな歌声の主を見てみたくなった」
 「まー、そうなるよね」
 俺でもそうしてたと思うし。
 「それで、歌の聞こえてくる屋上に上がっていったんだ。だけど、誰もいなかった」
 「…は?」
 なにそれ。
 レオは、慌てて俺に言った。
 「早まるなよ。それでだな。
 俺は屋上を探した。絶対いるはずだと思ってな。そしたら…」
 俺は、言葉を切ったレオを見つめた。