私は歌うのを止めた。
 気づけば、草木が噴水のアーチを作ってる。
 まーたやっちゃったなぁ。
 なんで私の歌には、魔法がかかるのかな?
 すっかり芸術的になった植物を眺めながら歩く。
 『ちょ、おい、来るぞ!』
 『え?ダメだよ、後ろ行き止まりだって!』
 『はぁ?!』
 なんか、ひそひそ聞こえる…
 いつもならすぐ逃げるけど、思い出に浸っていたせいか、私はその方向へ向かった。
 すると、そこには思いがけない人物がいて。
 「…レオにラナ?」
 なんで二人がここに?
 しかも、しゃがんで、焦った顔で。
 あー、二人かぁ。
 ん?私の秘密を、少なからず知っている二人…
 に、この格好を見られた?!
 いまさらながら、状況把握をする私。
 あー、思い出の力ってすごい…
 ここまで私の思考を鈍らせる
なんて。
 「あー、チェルシー、その~…
 すまん」
 「ごめんなさい!ここににあなたがいくのを見て…」
 すごくばつが悪そうにする2人。