…胸が、締め付けられた気がした。
 その時、不意に彼女は歌い始めた。
 ~♪
 愛しい 愛しい 君を守るよ
 どんなときも 君の笑顔が
 大切 大好き 愛しいんだ
 笑って 笑ってよ
 俺の 可愛い お姫様
 ♪~
 また。
 また、あの声だ。
 そして、やっぱり、恋の歌。
 聞いていたら、植物が、動き始めた。
 勿論俺達は、固まってしまった。
 延び始めた植物は、噴水のような形になって、成長を止めた。
 色々驚きだけど、俺はふと気づいてしまった。
 この歌声…
 そして、チェルシーが、切なく、悲しそうに、顔を歪めていたことに。
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