俺は、驚いてラナを見た。
 ラナは、まるで確信しているように、もう一度、言った。
 「あれは、チェルシーちゃんよ」
 …信じられなかった。
 髪の色も、顔も、全然違う。
 ただ、雰囲気が。あの無表情が。
 どこかチェルシーを思わせた。
 「…ふふ♪」
 「…何笑ってんだよ」
 「え?私じゃないよ」
 「「……え?」」
 俺とラナは耳を疑った。
 あの、あのチェルシーの笑い声?!
 本人を見てみれば、どこか遠くを見ているように、ぼうっとした瞳で、穏やかに微笑んでいた。