「別に」
 「えー?間が空いてたよ、間が」
 相変わらず細けぇことに気づくんだよなぁ、ルイは。
 全く。
 「…もしはちあわせたら話すか…」
 ポツリと呟いた。
 「えー?今教えてよ、今~。はちあわせたらって、気になる女の子でもできたの?」
 「………」
 「えっ?まって、そーなの?」
 俺は、あきれてルイを見た。
 全く、確かに人だし女だけど、なんでそこでそうなるんだよ。
 こいつは頭いいくせして、どんな思考回路してんだよ…
 そう思いながら教室に入ると、いつも以上にご機嫌なこえで挨拶が飛んできた。
 「おはようっ!きいてきいて!」
 ラナが、興奮気味に俺らに走りよってくる。
 さっきまでラナと話していたらしい、エヴァとカサンドラが、こっちを見ていた。
 「あのね、昨日の帰り、スゴい子と会ったの~!私が困ってたら、いきなりやってきて、魔法で男の人達を追い払ってね、でも、全然顔は無表情で、クールなの!女の子なんだよ!しかも、普段は魔法で目の色変えてて、ずっと魔法を使いっぱなしなの!変装してるんだって!それでね、凄いのに、なんかね、自分で望んでEクラスにいるんだって!なんかカッコいいよね!私お友達になったんだよー!全然おしゃべりはしてくれないけど、優しくて……。?レオ?どーしたの?」
 ペラペラと話していたラナ。
 へぇ、と、珍しく驚いたように話を聞いていたルイ。
 ただ、俺は、固まっていた。
 声も、出せなかった。だって、それって、思い当たる限り、アイツのこと…