見つけて。

その予感は見事に的中する訳で。
 席につくと、教室の外から、聞きたくない声が。
 「この学校のクズはいる~?ちょっと、言いたいことがあるんだけど~」
 「…はぁ」
 ついため息が漏れる。
 リタ…あんたは、ホント、いじめっこの王道って感じだよ。
 かたりと席を立つ。
 リタ達の前にいくと、怖いくらいの笑顔で言われる。
 「今日のお昼休み、裏庭に来て」
 「………」
 屋上か裏庭だろうとは思ったけど、ホント、読みやすいな…
 私が無視していると思ったのか、くいっとおさげを引っ張られる。
 ちょ、やめてよ。ウィッグがずれる。
 そう思って、顔も引っ張られるままに動かした。
 すると、リタは耳元で囁く。
 「あんまり調子乗ってると、どうなるか知らないわよ」
 「………」
 リタは、あくまで無言を貫く私に舌打ちしながら、突き放した。
 「ホントあんたってつまんない。喋らないし、顔も変わんないし。その上魔法も使えないんじゃ、人間じゃなかったりして?ホントに、ゴミクズなんじゃないの?」
 そうして、リタ達はクスクスと笑いながら、自分達のAクラスへ戻って行った。