…目立って目立って仕方ないのだけど。
 あの、Sクラスのラナ・マリガンが、最下位と仲良く登校してる?!
 大方、そんなものだろうな。
 隣を歩くラナには悪いけど、あとの事を考えると、ため息が止まらない。
 そんな私なんか気づかず、ラナはニコニコして話してくる。
 「ねぇ?今度、変装してない姿を見せてね?約束よ?」
 「?!」
 こんな人のたくさんいる場所で、この人は、何を言い出してんの?!
 私の歩みがぴたりと止まったらからだろうか、ラナははっとしたように口に手を当てた。
 「あ、あら。ご、ごめんなさい…そうよね、気を付けなくちゃよね…」
 急にしゅんとするラナ。
 あーもう。
 「…別にいいよ。2度目がなければ」
 パァッと顔を輝かせるラナ。
 …ホント、私と真逆で、彼女はすべてが顔に出るんだなぁ。
 足して2で割れば、二人とも普通の人になれるかな。
 なんてバカなこと思ったけど、すぐに止めた。
 顔に感情出るようになったら、秘密がバレる可能性高くなるじゃん…