彼女は、とても嬉しそうに私の手を両手で包み込む。
 「良かった~、同じ学校で。どこのクラスなの?お名前教えてくれる?」
 …こういう、無邪気な人は、無下にすることが躊躇われてしまうから、苦手だ…
 私は、答えるしかないみたい。
 「…Eクラスの、チェルシー・ロイ」
 彼女は、少なからず驚いたようだ。
 そうだよね。Eクラスと関わりたい人なんかいる筈ないもの。
 「あ、あんなに才能あるのに?Sクラスでも可笑しくないわよ?」
 「…いいの。私が望んであのクラスにいるんだから」
 心からの、本心だった。
 もっと、追及してくるかと思ったけど、意外にも彼女は不服ながらも、と言ったように納得した。
 「…まぁ、考え方は人によって違うものね。あ!そうだ!私はラナ。ラナ・マリガン。Sクラスよ」