私がポツリと溢すと、嬉しかったのか、彼女は顔を綻ばせた。
 「な、……まぁ、いいわ。分かればいいのよ。
 私が来なかったら、あなたどうするつもりだったのかしら?」
 それは、もう、正体を明かそうとしてましたね。
 ん?でも、この人が来たから私の正体をまだリタ達に隠し続けられる…
 「…腕」
 「え?」
 「……腕を治したの、貴女ってことにしてもらえる?」
 「え?ど、どうして?」
 「………それを話す義務は無い」
 彼女は、ぐっと言葉を飲み込んだみたいだった。
 それから、少し考えて、頷いてくれた。
 「いいわよ。そ、の、か、わ、り!これからは、されるがままっていうのは無しにしなさいよ」