「……………」
 「……………」
 「……………」
 「…………喋らないの?!」
 「…………必要ない」
 「……あー…とりあえず、腕…
は、平気そうね」
 彼女は、私の腕をちらりと見てそう言ったきり、何も聞いては来なかった。
 …正直、もっとこの腕の事や、他にも色々と追求されると思っていたから、少し驚いた。
 「まったく、あなたがチェルシー?それなら、自分の嫌な事くらい反抗したらどうなの?」
 「………私の名前…」
 すると彼女は、しまった、とでも言うように顔に手を当てた。
 ……この人、ラナに似ているのかもしれない。
 「と、とりあえず、あなたのことは、ラナとかが話してくれたんだけど、いじめも望んでるって聞いたわよ。どういう訳なの?」
 訳、ねぇ。
 他人に話すなんてあり得ないよね。
 話す気なんて更々ない。