見つけて。

その時、右腕に痛みが走った。
 動かせない体の中、必死で目のはしに映る右腕を捉える。
 無数の切りきずと、流れる赤。
 おおかた、鎌鼬のようなものでも生み出して攻撃してきたんだろう。
 その途端、ふっと、体に自由が戻ってきた。
 慌てて足に力をいれると、恐ろしいほど輝く、濡れたような真っ赤なリタの瞳と、うっすらと口元に浮かぶ笑み。
 そして、そんなリタを驚きと困惑、そして恐れの表情で見る取り巻きたちがいた。
 
…きっと、リタの取り巻き達は、リタがここまでするとは考えていなかったのだろう。
 それは間違いであったと、今、彼女達は身をもって知った訳だ。
 そして同時に、リタに逆らうことの恐ろしさも。