すると、私が聞くまでもなく彼は続けた。
 「魔力の気配がする。ずっと使い続けるなんて、魔法が得意な奴でもそうそうやらねぇことだろ?お前…一体…」
 まずい。かなりまずい。
 こんなところでバレたら…
 「…訳ありなのか?…あぁ、今日会ったばかりの奴に話すわけねぇよな」
 彼は、一人で納得してくれたようだ。
 私としてはとても助かる。
 「何の魔法使ってんのかは教えてくんねぇ?気になる」
 …まぁ、そのくらいならいっか。
 「…眼の色を変えてる」
 「あ?眼の色?なんで」
 「…あなたには関係ない」
 「まぁ、そりゃそうか…」
 怒りもせずに納得してくれる彼に、不思議と興味を抱いた。
 だから、つい話したのかも知れない。
 「…私は…わざと成績最下位になってる」
 「…はぁ?」
 突然言ったのだから、当然だろう。
 成績を上げるならまだしも、わざと最下位を目指すなんて、普通ならあり得ない。
 私も、何で口が開くのだろう…?
 次々と話していた。
 但し勿論、許容範囲の事だけ。
 「目立ちたくない。校長先生の協力も得てる。ただ、学校内でこの事を知ってるのは、私の他に、校長先生と、今知った、あなただけ」