「…よいしょ。…っさむ〜!」 新幹線から一歩飛び出すと、東京もやっぱり2月だった。 吐いた白い息は、曇った空へと吸い込まれていく。 ……雪が降りそう。 そう思って、空へと視線を投げると、 「詩帆。」 「…爽。」 待ち望んだ愛しい声。 この声を直で聞くために、何ヶ月待ったんだろう。 でも、…もう、いいよね?もう、終わりにしよう。 「久しぶりだね。」 私は、バッグからラッピングされた箱を取り出す。 「ハッピーバレンタイン、爽」 「…え」