私、松岡 詩帆《Shiho Matsuoka》と、現在話のタネの彼氏、椎名 爽《Sou Shina》が付き合い始めたのは、2年とちょっと前。
18歳の夏だった。
爽の方から熱烈アピールされて、私が折れたことで付き合うことになったんだけど、進路が別々になったってわかった頃には、もう後には引けないくらい好きになってた。
その時の私と爽はとても子供で、遠距離の苦労とか全然知らなくて、「2人なら余裕」なんて、そんなバカなこと思ってた。
そして、お互いにとって、とても酷な決断をしたね。
今なら、わかるの。痛いくらいに。
……距離の辛さ。
会えても一瞬な私たちの連絡手段は、電話か、メッセージアプリ、メールとか、そんなもの。
だけど、お互いに忙しくなって、メールですら返信は3日後になって。
東京と、大阪。
その距離の分、心も離れてっちゃった。
そんな状況の今。
私は、胸を張って「爽の彼女だ」って言えるの…??



