「……は。」
その時、会ってから初めてちゃんと爽の顔を見た。
なんか、本当に何を言っているのかわかんないって顔。
……なんと。
どうやら2人の間に何らかの誤解があるらしい。
「え?だ、だだだって爽、好きな人が出来たんでしょう?」
「は、何それ。浮気ってこと??
そんなこと、した覚えがないけど。
…それに、遠距離になるってわかった時に言ったよね?
『俺が好きなのは、詩帆だけだ』って。」
「え、…いや、でも、前電話した時に、後ろから女の人の声が……」
え、何何何。どういうこと。
爽は爽で、「女の人の声…?」と考え込んでいるみたいだったけれど、納得がいったのか、「…ああ。」と呟いた。
「詩帆、俺今母さんの店で手伝いしてるって、言ったよね?」
「……お母さん、何してる人、だっけ。」
苦笑いで返すと、爽は呆れたようにため息を吐く。
「…美容師。」
「ああ…」
なるほど。
それは納得だわ。



