3年たてば、あたしはおよそ20歳。


みんなとの思い出だって……薄れているかもしれない。




みんなはあたしのことを忘れているかもしれない。




「……っ」




そう考えていると、自然と頬に涙がつたった。




「グスッ……っふ……」




今の ‟日常” や ‟当たり前” が、そうではなくなる。




‟ただの一般人” と ‟芸能人” という、遠い遠い空の上の人になってしまうかもしれない。


手を伸ばしても……届かない。




「……グスッ」




コンコン


ビクッ




「彩羽?いるのか?」




陽太、だ。

ドアの向こうに陽太がいる。




あたしは涙をぬぐって立ち上がる。

そしてドアに手をあてた。




……陽太、大好きだよ。


他のみんなも、美月さんや Midnight Wolf のみんなも。




一年も一緒にいられなかったけど、それでも大切な思い出がたくさんできた。






だから、あたしは_