「麗ちゃん、ちょっといい?陽太は確かに律と身長同じくらいだけど、髪色はどうすんだよ」




「あ、それならウィッグの調達はできてるんで心配ないです」




そっか、律ってたしか、ハチミツ色っぽい髪の毛してたっけ。




「彩羽、片付け終わり次第ホテル移動するけど、お前と陽太は明日都内に戻るから始発で行けよ?」




「えっ、始発!?」




それって五時とかだよね……?

つらい……




「東京駅まで来てくれればうちのスタッフが迎え行くから、まあ頑張って」




「アユたちは?」




「俺はツアー終わるまでお前らのお守りだって言ったろ?」




初耳なんだけど……




「お願い!!彩羽ちゃん、手伝ってくれたら事務所に残ってる Midnight Wolf のライブグッツ好きなだけあげるから「ほんとですか!?だったら喜んで!」




「決意甘いなお前」




「デビューライブのグッツってレアなんだよ?貴重なんだよ?分かる?」




「知るかよ」




「ちょっと陽太、うちのグループのグッツだってもうどこにも出回ってないレアものなんだからね?」




陽太ってば自分のことにうといんだねきっと。




「お前ら、早く準備しねえと置いてくぞ」



「はーい」




「麗と美玲はプロデューサーに送ってもらえ」



「「はーい」」



帰り際、ドアを出ていく直前に麗ちゃんが振り向いた。




「彩羽ちゃん、明日はよろしくね!」



「うん!」



とりあえず、明日は Midnight Wolf の生ライブが聞ける!!!