祓魔師陛下と銀髪紫眼の娘―甘く飼い慣らされる日々の先に―

 そして、ゆっくりと降ろされたのは、柔らかいベッドの上だった。上質な布の触り心地に緊張していると、頬を撫でられ、額にキスを落とされる。鳴りやまない心臓と格闘していると、そのまま後ろにゆっくりと倒された。

 ヴィルヘルムもリラに覆いかぶさるようにして一緒に倒れたので、ふたりの距離は近いままだ。それがリラを緊張させる一方で安心ももらたした。

「リラ」

 慈しむように名前を呼ばれ、体中が熱くなる。この声は変わっていない。けれど、やはりなんだかんだ言って見えないのは辛い。

 今、ヴィルヘルムはどんな表情で自分を見下ろしているのか。潤む瞳をじっと見つめ、ヴィルヘルムはリラの目尻に口づける。そして目を閉じたリラの瞼にも唇を寄せた。

「ヴィル」

 そっとヴィルヘルムの名前を呼び、リラは瞳を開けた。そして、

「え?」

「リラ?」

 がばりとリラは身を起こして、目元を手で覆うと、再び目を閉じた。瞳に飛び込んできた光が明るすぎて、目が開けていられない。どういうことなのか。心臓がどくどくと脈打つ。自分になにが起こっているのか。

 リラは、こわごわと目を開けた。そして目元を覆っていた手をゆっくりとどけてみる。反射的に明るさに目を細めた。そこでリラの目に飛び込んできたのは

「ヴィル、私、どうして」

「リラ、その目は」

 ふたりがほぼ同時に声をあげる。