【短編】先輩を独り占めしたくて。



先輩は手を差し伸べてくれて、あたしはそれを取って立ち上がったけど、足首は想像以上に痛くて、思わずしゃがみ込んだ。


「悠、あの、あたし……」

「話しかけんな。雪姫ちゃん傷つけるような奴とは、やってけねぇよ」

「……っ」

「よし。雪姫ちゃん、ちょっと我慢してね」


え?と聞き返す前に、先輩に横抱きされて、持ち上げられていた。

要するに、お姫様抱っこってやつ。


「わ、嘘!先輩、歩けますって!」

「うん、降ろさない。黙って抱っこされてて」


にっこり笑った先輩だけど、その目にはいつもにはない迫力があって、逆らうことが出来ず、「はい……」と頷いた。

保健室に行くと、先生は不在で、保健委員の先輩が、あたしの手当をしてくれた。