【短編】先輩を独り占めしたくて。



「いったぁい」


それは絶対、痛くないでしょっていう声だったけど、それに反論する気が起きなかった。

「……っつ」


痛い。

先輩の手は間に合わなくて、あたしは肘を擦りむいて、挙げ句の果てに支えようも踏ん張った右の足首を捻った。


「何してんだよ、美里」

「せ、先輩、大丈夫です……すみません、ドジで」


ほんとよね、と迷惑そうに眞鍋先輩が吐き捨てたけど、あろうことか先輩が、初めて眞鍋先輩を睨んだ。


「雪姫ちゃん傷つけといて、それはねーだろ!」

「ゆ、悠……?」

「……雪姫ちゃん、立てる?保健室行こう」