【乃彩】



あたしの好きな人は大きなソファでテレビを見てる。



ナツと出会ってから何年経ったかな?



相変わらず派手な頭。



もうイイ歳なのに似合ってるのが憎いよね~…。



「ナツ、時間だよ?」

「もう!?緊張する…。」

「ナツらしい。」

「じゃ、行こうか。」



小さな黄色い車に乗って向かう先は結婚式場。



あたし、結婚します。



式場に着いて中に入ったあたしを待っているのは純白のドレス。



着替えが終わってやって来たのはグレーのタキシードを着こなし、いつもより一段とカッコイイ旦那様。



「キレイにしてあげる。」

「お願いします。」



ナツがメイクを施してくれて髪を丁寧にセットしてくれる。



相変わらず気持ちいい手…。



「ナツ、ナツはどうしてあたしの事好きになったの?」

「それ言わなきゃダメ!?」

「うん。あたしは一目惚れだったけど…。あの美容室には結構モデルさんとか女優さん来てたし…。」



鏡越しに目が合った。