お姫様とお嬢様

寝苦しさに耐え兼ねて目が覚めたら明け方だった。



汗だくで寝てたらしい…。



冷却シートを剥がして着替えを持ってバスルームに向かった。



愛芽は自分の部屋か…。



大事な時期に風邪移すより別に寝てくれた方がイイか。



熱めのシャワーを浴びてからリビングに行くとコタと兄貴が書類を広げて眠ってた。



コタは俺に変装したまま…。



兄貴にバレてんじゃん!!



何言われっかわかんねぇ…。



二人を起こさないように書類に目をやると、どうやら商談はうまく行ったらしい。



よかった…。



「おはよう舜君。」

「お、おはよ…。」

「風邪はよくなった?」

「ごめん…なさい…。」

「別に攻めてないよ。コタもやってくれたね、もう一端の重役って感じ?」

「兄貴、俺…。」

「わかってるから。舜君は舜君のやり方でやればイイ。でもお兄ちゃんは社長だからね。社長の言う事は絶対だよ。」



兄貴の優しさ…。