『乃彩を攻めないで。乃彩の性格なら解るでしょ?絶対攻めないでね!!』と、愛芽チャンが俺に念を押した。



攻めるつもりはナイ。



着替えて来た乃彩を車に乗せて家を出た。



行くあて何てナイけど…。



俺がいつまでも喋らなかったら乃彩が先に口を開いた。



「怒ってる?」

「怒られるような事したの?」

「黙ってた…。」

「うん、黙ってたね。でも別に怒ってナイよ。何で言わなかったの?」

「イジメられてる彼女とか…なんかイヤでしょ?」



イジメられてたって乃彩は乃彩。



俺の前にいる偽りのナイ乃彩に変わりはナイ。



「俺なんてAQUAにイジメられ過ぎだよ。この前なんてピッチャーでビール飲めとか言われるしさ~…。」

「ナツ…?」

「その前は海外行った時にイモムシ食わされそうになったし。可愛がられてるからイヤじゃないけどさ、こんな俺ってイヤ?」



俺がそう言うとブンブンと首を横に振った。