その時チィの後ろからポンッと頭に手が乗った。



「チィチャン、愛芽チャンには勝てないよ。兄ちゃんもマジだから。もう諦めな?」

「コタ君…。」

「ねぇ、僕あのケーキ食べたいから付き合って?」

「えっ!?」

「男一人でケーキ食いまくる勇気ナイからさ。さ、行こ?」



小さく頷いたチィはコタに手を引かれて隅にあるケーキ置場に歩いて行った。



コタって何気にイイ男じゃん…。



「コタも愛芽の舎弟か…。」

「舎弟!?」

「楓が自分で言ってたぞ?『俺は愛芽さんの舎弟だから』って。コタもだな。」

「人聞きの悪い事言わないでよ。愛芽に舎弟なんかいないし。」

「はははっ!!では姫、行きましょ?」



どこに!?



そう思ったのに有無を言わさず腰に回った手にさらわれるように会場を出た。



エレベーターの前…。



まさかこのまま部屋!?