お姫様とお嬢様

【愛芽】



舜太なんか大嫌い…。



頑張った仕事だって舜太に会いたいがために早く終わらせた。



なのに…。



涙が溢れて止まらない。



舜太が好きで好きでどうしようもないのに…。



苦しいよ…。



「愛芽!!」



舜太の声が聞こえたのは愛芽が部屋に入って5分後の事。



また外から…。



顔を上げると愛芽が叩いた頬が少し赤くなってる。



「ごめん!!」



舜太は愛芽に頭を下げた。



でも愛芽は許せない…。



愛芽の為じゃなくあの子の為に動いた舜太を。



「帰って…。」

「マジごめん。俺が悪かった…。」

「帰って!!」

「愛芽…。」

「別に愛芽は舜太じゃなくてもイイもん!!舜太なんかあの子にくれてやる!!」

「マジ言ってんの?」

「舜太だってそうでしょ!?愛芽が頑張ってる間にあの子といたんだ…。」



ギュッと苦しいくらい抱きしめられた。